レジオネラ菌(Legionella pneumophila)

微生物学

レジオネラの特徴

土壌や河川などの自然環境、冷却塔水や給水タンクなどの人工的水環境に広く生息。

通性細胞内寄生菌(自己増殖能はあるが、マクロファージなどの細胞内で増殖する)。そのため、グラム染色できない、βラクタム系・アミノグリコシド薬は細胞内移行性が悪いため無効

BCYEa寒天培地で培養。

レジオネラ肺炎

疫学 稀(だけど発症すると重症化して致死的となる)
曝露歴:温泉、循環式風呂、腐葉土、土木作業
病態 レジオネラ菌はアメーバを宿主として増殖し、公衆浴場などで発生するエアロゾルを介して肺胞に到達する。その後、肺胞マクロファージに侵入し増殖する。ヒト-ヒト感染はしない。非定型肺炎。(免疫力低下時の日和見感染として発症することもある)
症状 2〜10日間の潜伏期を経て、
①肺炎症状:乾性咳嗽+痰なし、急激な呼吸困難症状
比較的徐脈を呈することがある
筋肉痛:横紋筋融解
④全身症状:悪寒戦慄を伴う高熱頭痛、倦怠感
症状が重症化するため早急に治療が必要である(死亡率は約20%)。
検査 【血液検査】低Na血症CK↑、CRP↑、WBC上昇しない(細胞内に寄生するため)
【尿検査】尿中抗原(+):ただし、レジオネラ・ニューモフィラのみ陽性
【喀痰検査】PCRでレジオネラ核酸検出、喀痰塗抹のヒメネス染色で確認
【画像検査】
X線:両肺野に肺胞浸潤像、気管支透亮像、ときに胸水貯留など多彩で一定でない
治療 マクロライド系:アジスロマイシン
ニューキノロン系:レボフロキサシン、モキシフロキサシン
βラクタム系抗菌薬は無効!

コメント

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