紅斑
多形紅斑(多形滲出性紅斑)EM:erythema multiforme
病態 | 感染症や薬剤に対するアレルギー反応によって紅斑が生じる疾患。 重症型はStevens-Johnson症候群(SJS)やTENに移行するため注意深い経過観察が必要。 【原因】 単純疱疹、マイコプラズマ肺炎、薬剤、虫刺症など |
症状 | ①四肢伸側の関節部に左右対称性の標的状紅斑が多発 ②掻痒は様々 ※粘膜症状は少ない(あればSJSを疑う) |
検査 | 【身体検査】 視診:紅斑は紅斑辺縁部が堤防状に隆起・中央が陥没 【血液検査】 赤沈↑、CRP↑ 【アレルギーテスト】 薬剤性を疑う場合はDLST、パッチテスト |
治療 | 原因疾患の治療+ステロイド外用+抗ヒスタミン薬内服 軽症は2〜3週で自然治癒、重症例ではステロイド全身投与。 |
Stevens-Johnson症候群(粘膜皮膚眼症候群)
原因の多くは薬剤のため、薬疹を参照
Sweet症候群(急性熱性好中球性皮膚症、Sweet病)
疫学 | 中年女性に好発 |
病態 | 先行する上気道感染の後、発熱・関節痛などの全身症状を伴い、炎症性+無菌性に好中球が皮膚に浸潤し、有痛性浮腫性紅斑が多発する疾患。原因は不明だがMDS、白血病、内臓悪性腫瘍、膠原病(RAなど)を背景に生じることがある。 |
症状 | ①顔面、項頸部、前腕、手背に多発する有痛性の浮腫性紅斑 ②発熱(一見すると感染症にみえる) ③関節痛や口腔内アフタを合併することがある スイートでアチアチ、チューして赤くなる:発熱、有痛、好中球増多、紅斑 |
検査 | 【血液検査】WBC↑好中球↑、CRP↑、赤沈↑ 【皮膚生検】真皮全層に著明な好中球浸潤 |
治療 | ①基礎疾患の検索 ②安静+NSAIDs、コルヒチン、ヨウ化Kなど。無効な場合はステロイド内服。 |
手掌紅斑
血中エストロゲン上昇に関連して生じることが多い。
新生児中毒性紅斑
正常な新生児の約半数に生じる。数日〜数週間以内に自然消退する。
結節性紅斑・硬結性紅斑
サルが改悪CBT:サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、悪性腫瘍、Crohn病、Behcet病、TB
結節性紅斑 EN | 硬結性紅斑 EI | |
疫学 | 成人女性に好発。春・夏に多い。 | 中高年女性に好発。 |
病態 | 感染(溶連菌、結核など)、サルコイドーシス、ベーチェット病、炎症性腸疾患などに合併し、皮下脂肪組織の炎症を生じる紅斑。必ず結核の精査を行う! | 結節性紅斑に類似した皮下結節を生じる。 ・結核性:結核菌に対するアレルギー反応が皮膚に生じて紅斑となる。 ・非結核性:原因は不明。 |
症状 | ①下肢伸側に紅斑を伴う有痛性皮下結節 ②掻痒なし、潰瘍なし |
①下肢の下1/3に暗紫色の硬結 ②結核性:無痛+次第に潰瘍形成 ②非結核性:圧痛+潰瘍なし |
検査 | 【血液検査】赤沈↑、CRP↑ | 結核性はツベルクリン反応強陽性 |
治療 | 安静+下肢挙上+NSAIDsなど 治療で3〜6週で消退 |
非結核性:左に同じ、結核性:結核治療 多くは予後不良で治癒しにくい |
環状紅斑
遠心性環状紅斑
感染症に伴う環状紅斑
リウマチ性環状紅斑、慢性遊走性紅斑
膠原病を背景とする環状紅斑
悪性腫瘍に伴う環状紅斑
匍行性迂回状紅斑、壊死性遊走性紅斑
紅皮症(剥離性皮膚炎)
紅斑が体表面積の90%以上に広がり、全身の落屑をきたす状態。何らかの原疾患が存在して、それが全身へ拡大したもの。
湿疹性紅皮症
薬剤性紅皮症
乾癬性紅皮症
腫瘍随伴性紅皮症
丘疹紅皮症
高齢男性に好発、デッキチェアサインが特徴
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